シンシアは作品を全力で楽しみたい!

主にカクヨムに投稿されている作品を紹介するブログ

夜の帳が下りる時、星は真価を発揮する

夜空に浮かぶ星を想像してみてください。

少しばかり青みを帯びた暗い空に輝くは無数の星。

星が美しいと思えるのは夜のおかげ。

夜が美しいと思えるのは星のおかげ。

もしも、夜がずっと来ない世界であれば星はどのように輝くのだろうか。

 

 

はじめまして、シンシアです。

 

前回同様読んだ感想を交えつつ、魅力的に作品を紹介出来たらなと思います。

 

よろしくお願いします!

 

 

今回はタイトルにあります通りの

相互作用を表す関係が物語に深く関わってくる

 

灯橙虎春(ひとぼしこはる)様の

「夜さりの幕手(まくしゅ)と星の彩添(さいてん)」

を紹介したいと思います。

 

 

作品について

物語は主人公である「強羅麦(ごうら むぎ)」が自身が生まれた集落を出ようとする所から始まります。

 

麦という名前に反して屈強な名字である強羅。

 

彼女は争い事を好む野蛮な一族である「強羅一族」という蛮族のたった一人の女として育てられたのです。

 

そんな彼女が自分の身に危険を感じた事から超えてはいけないと言われている集落の境界に足を踏み入れることを決めます。

 

その境界に足を踏み入れようとすると途端に足は重くなります。足を掴まれて後ろから引っ張られている感覚に陥ると目の前には自分の命運を左右するかも知れない人物が現れます。

 

麦は無事に集落から脱することが出来るのか!

 

和風な世界観のファンタジー作品です。

 

 

幕手と彩添

タイトルにあります目を引くこの二つの言葉。

」と「

 

記事の最初で書いた通りですが、この二つは互いがいるからこそ美しい、真価を発揮する存在であると思います。

 

幕手」→幕を手で引く

彩添」→彩りを添える

 

言葉からこんな意味があるのだと思います。

 

夜さりの幕手」→夜の幕を手で引く

星の彩添」→星の彩りを添える

 

繋がるとこんな風な意味合いがあるのではないでしょうか。

 

そう!この世界では夜をもたらす者や星を散らす者がいるのです。

 

素敵でロマンチックな設定だと思いませんか?

 

誰かが夜の幕を下さなければ夜は永遠に訪れない。

誰かが夜空に星を散らさなければ星が暗闇を照らすことはない。

 

私はこの設定にやられてしまいました。

 

夜さりの幕手」とは何なのか?

星の彩添」とは何なのか?

 

気になった方は是非ご自身の目でお確かめください!

 

特別な二人組の関係性

この作品には「」と「」が呼応する関係のように、登場人物も呼応する関係。

 

つまりはお互いが求め惹かれ合う存在のペアが二組出てきます。

 

詳しく説明するとネタバレになってしまう恐れがあるのでやんわりとしか書けませんが、

 

この関係が本当に素敵なんです。

 

少し重いぐらいの感情を今は隠している感じや自分の死でさえも委ねてしまえるような感じが

 

キャラクターにより厚みを持たせて魅力を感じさせるものになっています。

 

百合やブロマンスの関係性が好きな人にはおすすめです

 

(ブロマンスという言葉を初めて知りました。薔薇とも違う素敵な関係性ですね)

 

カッコいい造語

タイトルからも分かる通り、特有の読み方をする言葉が幾つか出てきます。

 

この作品の魅力の一つであるなと感じます。

 

それがどれも厨二心をくすぐるカッコいい言葉なんです。

 

幕手」と「彩添

 

何回も書き綴っていますが素敵です!

 

この他にも出てくるので是非本文でご確認ください。

 

和風な世界観にこのカッコいい造語がいい味を出すのだと思います。グッと物語に引き込まれますよね。

 

逆に苦手な人もいるかもしれませんが、私はこういう固有の難しい言葉は大好物です。

 

夜の帳が下りる時、星は真価を発揮する

 

記事のタイトルにも書かせて頂いた言葉。

 

この作品を読み終わった時に浮かんだ言葉がこれだったのです。

 

タイトルの意味が全て腑に落ちるというか、

 

「あー、この二人の為にある世界なんだ」

 

とまで思いました。

 

冒頭に書きました、

 

もしも、夜がずっと来ない世界であれば星はどのように輝くのだろうか。

 

この答えがこの作品にはあると思います。

 

 

最後に

ここまでお付き合いいただきありがとうございます。

 

稚拙な文章に感じるかもしれませんが、少しでも読んでみたいと思ってくれたなら嬉しいです。

 

是非、同性の互いが惹かれあうような関係性が好きな方にはオススメの作品なので読んでみて下さい。

 

この作品完結済みとなっていますが、この先の展開も大いに期待できるワクワクする要素が盛り沢山なので是非、一緒に楽しめたらと思います。

 

最後になりますが、灯橙虎春様。

素晴らしい作品をありがとうございます。

これからも楽しく執筆をなさってください。